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「たすけて」を言えないかわいいきみはただ 眠り続ける 眠り、続ける

ニンゲンも、シャカイも、ソトも怖がって、きみはひとりで暗闇のなか

よく笑い よく食べ 遊ぶ きみが好き だからお願い、帰っておいで 

虚ろな目 なんとかそこに映り込む 見えてる? せめて、まばたきをして

いまはただ、眠ることだけが生きること 死体と変わらぬ姿で生きる

膝かかえ 何かつぶやくきみを見て 抱きしめてみる 「死なせてほしい」

死ぬなんて言っちゃだめだよお願いだ きみの耳にはもう届かない

真夜中にふたりで散歩 ひさびさに星を見ようよ 秘密の場所で

ここでなら 泣いてもいいよ大丈夫 涙は別に出なくてもいい

星たちとぼくしかそばにいないから うつむかないで 大丈夫だよ

星明かり 照らされるきみ 色白で落ちる涙が宝石みたい

帰り道 手をつないだら 気をつけて 朝焼けに身を焼かれぬように

寝る前に何か飲もうか 泣いたから 水分補給は大事なんだよ

現実に押しつぶされたきみは言う 「わたしの残機、もう無いんだよ」 

生きるにはお金がかかる 稼ぐには社会で命を削るしかない

人生のボーナスタイムくれたきみなのにどうしていなくなったの

ぎりぎりの淵でなんとかやっていた つもりだったが落っこちていた

つかんだ手 ぷらり、ぷちりとちぎれてく ああ、まただめだ、さあ、朝が来た

今日もまた きみが世界にキスをした道路を歩き 社会へ向かう