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髪の毛を切った。伸びた髪の毛の中をはさみが泳いでいるのを感じながら、ぼんやりと雑誌を眺めていた。

髪の毛を短くしよう、と思い立ったのは中学を卒業した時だった。何がきっかけだったのかは覚えていないけれど、胸まで伸びた髪の毛を一気に肩にかからないくらいまで切った。それから3年、また胸まで伸びた髪の毛を、卒業と同時に短くした。
大学一年の後半は髪の毛が三つ編みにできるほどの長さだった。大学二年は一年中短かったと思う。そして大学三年の今、人生で最も短い髪の毛になった。襟足みじかっ! と恋人には笑われた。今までアイデンティティーのように頑なに眉下に伸ばしていた前髪もさっぱり無くしてしまった。短い髪の方が、似合う服や格好が増える気がする。長い髪の毛も好きだけれど、どうせなら両方楽しみたい。首すじを通り抜ける風の冷たさは、長い髪ではわからない。
いずれは耳が出せるくらいに短くしてみよう。髪型ひとつ変えるだけでも、今まで知らなかった自分を見ることができておもしろい、やっとそう思えるようになった。